「大阪市教育委員会関係審議会の適正運営を実現する会」(Nさんを職場に戻す会)
1月5日、私たち「大阪市教育委員会関係審議会の適正運営を実現する会」(Nさんを職場に戻す会)は、大阪市教育委員会に『「指導力向上支援・判定会議」の議事録作成を求める再要請書』を提出しました。
<要請事項>
1.「(指導が不適切である教員の研修に関する)指導力向上支援・判定会議」にかかる議
事録を作成していない不適正な取り扱いを改め、今後、議事録を作成してください。
2.2020年3月16日の「指導力向上支援・判定会議」については、出席職員や判定会議委
員からの聞き取りを行い、審議記録を作成してください。
(全文は、別に掲載)
Nさんを分限免職にさせないために力を尽くします。ご支援下さい。
おかしいぞ!ステップアップ研修
Nさんを分限免職にさせない!
問われているのは不当な教員評価や学校組織のあり方
【教員をやめさせるための制度・ステップアップ研修】
大阪市教育委員会によるステップアップ研修(指導改善研修)は、指導が不適切と認定された人が職場から離されて教育センターで受ける研修です。1年を限度に、4か月ごとに研修結果を判定し、改善が認められなければ分限免職とする制度です。2006年の教育基本法改悪を受け、法律で正式に制度化されました。大阪市では、制度化前の2004年から実施され、以降、55人が指導が不適切な教員と認定され、職場に戻れた人はたった10人。分限免職は6人で、「分限免職よりは」とやむなく自主退職した人がほとんどです。分限免職とされると教員免許が失効し、講師等での勤務や、教員採用試験の再受験ができなくなるからです。建前では、指導を改善して職場に戻すことが目的とされていますが、実態を見れば、当該教員をやめさせるための制度と言えます。
【対象者の真の姿を知る者の意見をまったく無視した2020年3月16日の判定会議】
私たち「大阪市教育委員会関係審議会の適正運営を実現する会」は、「ステップアップ研修判定会議の議事録つくれ」と要求して、2021年11月17日、大阪市教育委員会と「協議」を持ちました。教員の一生を左右すると言ってもいい大切な審議会である「指導力向上支援・判定会議」の記録が、委員会事務局が恣意的に選んだとしか思えない「主な発言内容」数行を載せただけの「会議要旨」のみだったからです。
「協議」の中では、Nさんをステップアップ研修対象者とした2020年3月16日の判定会議の実態が問題になりました。指導が不適切な教員認定や研修結果判定にあたっては、「教育学、医学、心理学その他の児童等の指導に関する専門的知識を有する者」等を構成員とする「指導力向上支援・判定会議」で意見を聴くこととされています。「会議要旨」の「主な発言内容」には、「教員としての基本的な教育的愛情に欠ける」など、Nさんのステップアップ研修が妥当だとの意見記載が数行あります。しかし、本人意見書とそれに載せられた職場同僚の意見がどう扱われたのか、意見書等に関して判定会議委員の意見はどうだったのか、まったく記載がありません。
「20年回り道したが子どもたちへの思いから念願の小学校教員になったNさんに、こんな不当な評価をするなんて信じられない」というのが、職場同僚の思いです。同僚意見書には、『(何か問題があったときには)その都度、私達は直接Nさんと何が問題なのかを話し合ってきました。…私達から「このようにしたらどう?」というアドバイスをすると、Nさんも真摯に耳を傾けてくれ、実行に移してくれました。…私達教職員は、NさんをU小学校の仲間として一緒に協働してきましたし、これからも共に研鑽し子どもたちに関わっていきたいと思っています。』とあります。職場から切り離して、ステップアップ研修に送り込まなければならない事情などなかったのです。
【問われているのは、不当な教員評価や校長専決の学校組織のあり方】
Nさんが不当にも指導が不適切な教員とされた原因は何か。それは、「教育力とは職場の教育力である」という基本が蔑ろにされていることです。また、校長専決(トップダウン)の学校組織運営です。
私たちは、1月5日、大阪市教育委員会に対し、2020年3月16日「指導力向上支援・判定会議」審議記録作成を求める「再」要請書を提出しました。Nさんを分限免職にさせないために力を尽くします。ご支援下さい。
大阪市教育委員会関係審議会の適正運営を実現する会
(Nさんを職場に戻す会) 連絡先:松田(090-1138-5776)
2022年1月5日
大阪市教育委員会教育長 山本 晋次 様
大阪市教育委員会関係審議会の適正運営を実現する会
代表 松田 幹雄
「指導力向上支援・判定会議」の議事録作成を求める再要請書
前略
私たちは、2021年9月6日付で「指導力向上支援・判定会議」にかかる議事録の作成を要請し、その回答にかかわって、11月17日に、大阪市教育委員会と「協議」を行いました。
回答は、現在作成している「会議要旨」が、大阪市の「説明責任を果たすための公文書作成指針」に沿ったものであり、問題ないとするものでしたが、「協議」の中で、議事録(会議録)作成の必要性がはっきりしました。「協議」でのやり取りは以下のようなものでした。
<2021年11月17日「協議」での主なやりとり>
私たち:指針によると、判定会議は、会議録等の作成が必要な会議であるか?
市教委:指針の「有識者等から専門的意見を聴取することを目的とする会議等」にあたり、
会議録等の作成が必要とされる会議である。
私たち:なぜ、会議録でなく会議要旨なのか?
市教委:判定会議は、指針に「会議録の作成が特に必要な会議」としてあげられている「市
民生活に重大な影響を与える内容又は重要な制度の新設、変更又は廃止に係る内容
が検討されたもの」にあたらないからだ。
私たち:指針の「会議要旨のモデル文書」には、「※ 会議の内容、公表の必要性等に応じ
て、次の項目についても記録する。…・ 発言内容、発言者氏名の記録された詳細
な会議録」とある。ステップアップ研修(指導改善研修)対象者認定や研修結果判
定についての唯一の論議の場である判定会議は、当然、詳細な会議録が作成される
べき会議ではないか?
市教委:そう判断していない。判定会議の審議対象は、研修の命令であって、身分に影響す
るようなものではない。
私たち:指導不適切教員とされれば、現場から離され、その先には分限免職が待っている。
そんな判断を、研修を命ずるだけで、その時点では身分に影響しないから大したこ
とではないと扱うことは認められない。ステップアップ研修の対象者認定を行った
2020年3月16日の判定会議には、対象者と職場の同僚からの意見書も出ていたは
ずだが、会議要旨の「主な発言内容」に、意見書についての発言がないのはなぜ
か?
市教委:意見書については、説明はし、それについてのやりとりはあったと思うが、「主な
発言内容」に載せるほどのものではなかった。
私たち:対象者意見書に載せられていた職場の同僚の意見書については、聞き取りをしたの
か?意見書についてどう説明したのか?どう説明したかの記録はあるのか?
市教委:判定会議に関する規則には、「本人の意見書」とあるので、本人にだけ聞き取りを
した。どう説明したのかについての記録はない。
以上
「判定会議の審議対象は、研修の命令であって、身分に影響するようなものではない。」は、明らかに誤った認識です。2020年2月25日に行われたステップアップ研修対象者の意見書にかかわる対象者本人面談記録によると、校長が、指導不適切教員(ステップアップ研修対象者)認定判断のための「事実確認」としての授業観察であることを説明するという義務を果たさず、「授業観察により支援してもらう」とうそをついた(2019年10月1日)ことが明らかであるにもかかわらず、市教委担当者は、それで問題ないとしています。明らかな手続き上の瑕疵です。また、判定会議に資料として出された同僚の意見書には、『(何か問題があったときには)その都度、私達は直接Nさんと何が問題なのかを話し合ってきました。…私達から「このようにしたらどう?」というアドバイスをすると、Nさんも真摯に耳を傾けてくれ、実行に移してくれました。…私達教職員は、NさんをU小学校の仲間として一緒に協働してきましたし、これからも共に研鑽し子どもたちに関わっていきたいと思っています。』とあります。
もしも、対象者Nさんが、指導力が改善されなかったとして分限免職になるとしたら、それを決定する教育委員会会議はどのようなものになるのでしょうか。教育委員会会議に提出されるNさんの意見書には、そもそもステップアップ研修の対象とされるべきではなかったとして事前予告のことや職場の意見書のことが書かれることが予想されます。それを審議したはずの判定会議でそれらについてどう説明されたのか、判定会議委員の意見があったかなかったかもわからないようでは、教育委員会会議での審議もできないのではないでしょうか。教育委員にそれを聞かれたら事務局はどう答えるつもりなのでしょうか。2020年3月16日の「指導力向上支援・判定会議」については、今からでも、出席職員や判定会議委員から聞き取りを行い、審議記録を作成すべきです。
以上の理由により、以下、要請します。
<要請事項>
1.「(指導が不適切である教員の研修に関する)指導力向上支援・判定会議」にかかる議
事録を作成していない不適正な取り扱いを改め、今後、議事録を作成してください。
2.2020年3月16日の「指導力向上支援・判定会議」については、出席職員や判定会議委
員からの聞き取りを行い、審議記録を作成してください。
以上
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