市教委を飛び越えて、市長が学校の授業のやり方を発表・指示するのは違法
緊急事態宣言を前にした4月19日、松井大阪市長は、市教委にも相談せず、オンライン学習準備状況の把握もしないまま、宣言期間中の大阪市立小・中学校の「基本、オンライン学習」を宣言しました。市長の「オンライン学習宣言」は、地教行法3条と21条に違反した教育介入です。市長の権限は大綱を決めることだけで、「教育課程・学習指導・生徒指導」や「保健・安全」に関わることは、教育委員会の権限に属することであり、市長は越権行為をしてはならないと定めていることに反しています。
市教委は、条件整備・準備ができていないため、「できない」ことをわかりながら、市長の意向には逆らえないと、4月26日からの「給食前後の2時間(小・中別形態)以外は家庭学習」を指示しました。子どもたちの為にならないことがわかりながら、保身のために、学校と子どもたちに犠牲を押し付け、この枠から外れる学校裁量は許さないと締め付けたのです(「預かり」の子どもたちには授業してはいけないなど)。
その結果は、ひどいものでした。例えば、こんな声が…
・中学生「緊急事態やのに給食を食べる意味がわからん。不正会食?じゃないのか」「去年の分散登校でいんじゃないのか」
・保護者「オンラインも、通信テストして以来全く進んでいません」「保護者、子どもでさえも中途半端なことしているなーってわかっているのに、上の人たちは何故それがわからない?しかも大阪市だけ…」「小学4年生男子の保護者です。オンラインテストではログインすらできていない子がたくさん…すぐにログンできた子は持て余し、ログインできない子は苦戦してるのか、諦めモード…授業が成り立つには程遠い感じ…」
木川南小学校長の「提言」は、みんなが真剣に受け止め、考えるべきもの
5月17日、「子どもの安全・安心も学ぶ権利もどちらも保障されない状況をつくり出していることに、胸をかきむしられる思い」を持つ一校長が、松井市長と山本教育長に、「大阪市教育行政への提言」を送付しました。内容を知り共感した市民が「提言」を拡散し、多くの人に知られるようになりました。その事態に対して、5月20日の大阪市会教育こども委員会で杉村議員(維新)の質問に答えた教育委員会は、「職員基本条例第4条:公正に職務を執行し、その職務や地位を私的利益のために用いてはならず、また、市民の疑惑や不信を招くような行為をしてはならない」違反の可能性があるとしました。5月20日と5月21日の囲み会見で、松井市長は、「教育振興基本計画と違う形で学校運営するとあればルール違反。」と言いました。「子どもたちを競争させて、追い込んで、点数を上げさせる」ことを教育振興基本計画で我々が決めたから、みんなその通りやれと恫喝しているのです。教育の基準は多数決で決められた条例にあるのか、子どもたちの現実の中にあるのか…強い圧力の中で働いている者にとって、木川南小学校長の「提言」は、自分の姿勢について真剣に考える契機・素材といえます。ぜひ、全文を読んでください。
(「大阪市立木川南小学校・久保校長の提言」で検索)
(2021年5月28日)
住民自治を壊す大阪“維新”市政を許さない会
(略称:大阪維新を許さない会)
連絡先:E-mail = yurusanaikai@yahoo.co.jp
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