大阪市教委「会議要旨でいい」のでたらめ答弁
制度趣旨をはき違える勝手な運用実態が明らかに
私たち「大阪市教育委員会関係審議会の適正運営を実現する会」は、「指導力向上支援・判定会議(以下、判定会議)の議事録(会議録)をつくれ!」と要求して、11月17日、大阪市教委(資質向上担当)と「協議」を行いました。市教委は、私たちの要求に対して、「公文書作成指針(以下、指針)に基づいて会議要旨を作成しており、会議録はつくらなくてもいいことになっている」と回答しました。私たちは、この回答について納得できないと追及しました。
私たち:
指針によると、判定会議は、会議録等の作成が必要な会議であるか?
市教委:
指針の「有識者等から専門的意見を聴取することを目的とする会議等」にあたり、会議録等の作成が必要とされる会議である。
私たち:
なぜ、会議録でなく会議要旨なのか?
市教委:
判定会議は、指針に「会議録の作成が特に必要な会議」としてあげられている「市民生活に重大な影響を与える内容又は重要な制度の新設、変更又は廃止に係る内容が検討されたもの」にあたらないからだ。
私たち:
指針の「会議要旨のモデル文書」には、「※ 会議の内容、公表の必要性等に応じて、次の項目についても記録する。…・ 発言内容、発言者氏名の記録された詳細な会議録」とある。ステップアップ研修(指導改善研修)対象者認定や研修結果判定についての唯一の論議の場である判定会議は、当然、詳細な会議録が作成されるべき会議ではないか?
市教委:
そう判断していない。判定会議の審議対象は、研修の命令であって、身分に影響するようなものではない。
私たち:
指導不適切教員とされれば、現場から離され、その先には分限免職が待っている。そんな判断を、研修を命ずるだけで、その時点では身分に影響しないから大したことではないと扱うことは認められない。ステップアップ研修の対象者認定を行った2020年3月16日の判定会議には、対象者と職場の同僚からの意見書も出ていたはずだが、会議要旨の「主な発言内容」に、意見書についての発言がないのはなぜか?
市教委:
意見書については、説明はし、それについてのやりとりはあったと思うが、「主な発言内容」に載せるほどのものではなかった。
私たち:
対象者意見書に載せられていた職場の同僚の意見書については、聞き取りをしたのか?意見書についてどう説明したのか?どう説明したかの記録はあるのか?
市教委:
判定会議に関する規則には、「本人の意見書」とあるので、本人にだけ聞き取りをした。どう説明したのかについての記録はない。
市教委が対象教員の権利を蔑ろにして勝手な運営を行っていることが明らかになりました。
「協議」の中でも、規則にも規定がある判定会議の委員長選出について、会議要旨に記載しておらず、指摘を受けて加筆訂正したことも明らかになりました。理由を問うと「担当者が失念していた」…えっ?!と驚くしかないひどい運営実態です。このデタラメ運営はすぐに是正させなければなりません。
また、当初は、判定会議を経て教育委員会会議で最終的に決定していたステップアップ研修の対象者認定や研修結果の判定について、2018年5月に、教育委員会会議に諮らず、教育長の専決に変える、という変更が行われています。闇の中で指導不適切教員に認定され、誰にも知られず退職へ追い込まれる教員が現実にいるのです。
M校長のNさんへの扱いは問題にされなくていいのか?
教員研修はそもそもどうあるべきか?教育力とは「職場の」教育力。個々の教員に不十分なところがあるのは当たり前で、協同の実践の中で、お互いにアドバイスし合いながら改善し、力をつけていくというのが、本来の研修のあり方です。指導不適切教員と認定し、職場から離して研修させるこの制度は、職場の教育力では到底補うことができず、結果的に児童・生徒に大きな迷惑がかかるような特別な場合についてのみの制度のはずです。そして、誰かの恣意的な意思で指導不適切教員に認定されることがないよう、対象教員の権利を保障する手続きが定められています。それが、対象とされた教員の意見書や、専門家の意見を聴く判定会議なのです。
2020年3月16日の判定会議に出されたはずの同僚の意見書は、例えば次のようなものでした。
『(何か問題があったときには)その都度、私たちは直接Nさんと何が問題なのかを話し合ってきました。このような同僚とのやり取りは学校現場において、決して珍しいことでもなく、むしろ私たち教職員は、常日頃から相互に指摘しあい、高めあっていくことが大切だと考えています。私達から「このようにしたらどう?」というアドバイスをすると、Nさんも真摯に耳を傾けてくれ、実行に移してくれました。Nさんの指導にふれて、目に見えて学力が定着してきた子どもや、学習態度がよくなった子どもがいます。…私達教職員は、NさんをU小学校の仲間として一緒に協働してきましたし、これからも共に研鑽し子どもたちに関わっていきたいと思っています。』
これらの意見は、本人の意見でないから取り上げる必要はない、と市教委事務局が勝手に判断しました。それにふれた判定会議委員の意見があったとしても、事務局の判断で記録せず、ないことにされました。絶対に議事録(会議録)は作らせなければなりません。
Nさんをステップアップ研修に送りこんだのはM校長です。本人の意思も確認せず、特別支援学級の主任にし、また、体調を崩し、退職さえ考えたNさんが、次の年は特別支援学級の主任を外してくれと懇願していたのに、かまうことなく同じ役割につけ、ついにはステップアップ研修の申請を行ったのです。規則に規定されている義務(授業観察の事前予告)も果たしていません。問われるべきは、M校長のNさんへのひどい仕打ちです。
11.17「協議」でこの理不尽が明らかになったので、私たちは、今後、「大阪市教育委員会関係審議会の適正運営を実現する会」(Nさんを職場に戻す会)として活動していくことを決めました。
大阪市教育委員会関係審議会の適正運営を実現する会(Nさんを職場に戻す会)
連絡先:松田(090-1138-6776)
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