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『「君が代」調教NO!松田さん処分取消裁判』 第5回 口頭弁論 11月29日(月) 14:00~ 大阪地裁809号法廷 続いて、弁護士会館1205号室で報告集会

 11月29日の第5回口頭弁論に向けて、11月19日、被告(大阪市)第3準備書面が届き、11月22日、原告(松田)第4準備書面を提出しました。



 前回第4回口頭弁論(9/27)では、被告(大阪市)は、第2準備書面で、「処分は職務命令と市条例に反したことが理由であり、卒業式の教育内容や教育方法とは関係ない」との立場から、「原告第2準備書面は『請求原因の追加』としているが、これまでの主張と変わらず、すでに答弁書と被告第1準備書面で反論している」というもの。教育のあり方についての論点に踏み込むことをかたくなに拒否したのです。

 原告(松田)は第3準備書面で、「思想良心の自由の侵害」「児童生徒の思想良心の自由を主張できること」「国旗国歌条例が違憲違法」の補足主張を行い、「国際法違反」「処分の相当性」について被告(大阪市)に再反論する陳述をしました。

 弁論の最後に裁判長が、原告・被告双方に、国際法(こどもの権利条約・自由権規約・ 教員の地位勧告)に関わる点で「敷衍」(ふえん:くわしい説明)を求めました。これに被告(大阪市)がどう答えるかが第5回口頭弁論の焦点でした。


 今回、原告(松田)は第4準備書面で、裁判所の求め(「教員の地位勧告」と憲法98条2項の関係について敷衍すること)に応じ、「教員の地位勧告」が、憲法98条2項で遵守を義務づけられている「確立された国際法」にあたることを説明しました。

 一方、被告(大阪市)の第3準備書面は、子どもの権利条約には何も触れず、自由権規約については、憲法19条・20条違反かどうかの判断だけで足り、自由権規約を持ち出すことは「徒らに争点を拡大」し「訴訟の適切な進行を阻害するもの」で、「現に慎むべきである」とまで言っています。裁判所の訴訟指揮をも批判するようなもので、これを裁判所がどう見るか注目すべきところです。


 以上のように、被告(大阪市)の第3準備書面はひどいものでしたが、今後の手がかりとなる主張もありました。


 原告(松田)は、第3準備書面で、以下を主張しました。


6 原告の「君が代」不起立によって行事進行の混乱など生じていないこと

 被告は、原告の「君が代」不起立によって学校教育に対する生徒、保護者、社会の信用を大きく損なわせただけでなく、原告の非違行為によって生徒としてもその記憶は生涯にわたって残りうるので影響は極めて大きいと主張する。

 その根拠として、被告は答弁書において「山本校長が、平成27年夏頃、地域の運動会に来賓として出席し、同校の卒業生らに会った際、原告について話題になり、卒業生らからは、卒業したクラスでは噂でもちきりであり、せっかくよい友達のいるクラスだったのに残念である旨を伝えられた。」としている。

 しかし、2015年3月12日の卒業式当日、原告の不起立を目撃した生徒・保護者はほぼ誰もおらず、原告不起立の事実は、校長がPTA会長、OB組織親和会会長、市会議員、連合町会長等に報告することで伝えられた(甲14 校長作成事故報告書)もので、原告の不起立によって卒業式当日には何ら行事の進行を阻害することは無かった。また、原告の当該不起立に関する報道は、学校名の公表がなく性別及び年齢のみの報道であり、原告の不起立が特定されて報道されておらず、全く問題とならなかった。大阪市国旗国歌条例制定後の2012年3月に不起立が大きな問題となった経過は、原告第1準備書面4頁5行目から9行目に記載の通りであるが、当時の大阪市の報道発表資料と報道記事を証拠として提出する(甲33の1~甲33の5)。

 被告が指摘する地域の運動会とは2015年5月下旬に開催されたものであり、同月13日、原告に対する本件処分発令後、記者会見映像がインターネット上で公開され、それを見た生徒が情報を拡散したためであり、校長が生徒から「残念である旨を伝えられた」という事実は一切無く、卒業生が校長に話しかけた理由も原告のことを心配したからであることは、人事委員会の口頭審理で明らかである。被告が、なおも、「原告の非違行為によって生徒としてもその記憶は生涯にわたって残りうるので影響は極めて大きい」と主張し続けるのであれば、それがどの生徒のどんな記憶であるのかを明らかにしなければならない。』


 それに対して被告(大阪市)は、今回の第3準備書面で、以下のように主張したのです。

『原告は、6において、原告の「君が代」不起立により行事進行の混乱は生じていない旨主張する。

 しかしながら、卒業式という公式の行事において、教師という立場にある原告がルールに従わない姿を見ることで保護者、来賓、生徒に影響が生じており、その場がざわつかなくとも混乱が生じていたことは明らかである(乙21・33~34頁)

 なお、仮に目立った混乱が生じなかったとしても、それは原告が卒業式当日に起立斉唱しないことを卒業式に先立って明言していたため、卒業式においてできるだけ混乱が生じないようにするため原告の座席位置を変更する等被告が工夫した(答弁書8頁)ことによるのであるから、原告の責任を免れる理由とはならない。』


 生徒が教職員の不起立を見ることが処分理由となるのか?不起立を見せず、全員が起立・斉唱する場面を演出することは、一方的な観念を植え付ける違憲の行為なのではないか?

 本質的論点が浮かび上がってきたのではないかと思います。


 第5回 口頭弁論傍聴・報告集会へのご参加をよろしくお願いします。

 

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